あすか製薬ホールディングス株式会社導入事例
〜製薬企業としてIT監査要件を満たすため、Microsoft 365データの保管と復旧、ランサムウェアへの備えを目的に、Cloud-to-Cloud Backupを導入〜
あすか製薬ホールディングス株式会社は、「先端の創薬を通じて人々の健康と明日の社会に貢献する」という理念のもと、医療用医薬品事業、アニマルヘルス事業、検査事業の三つの事業会社を有する企業です。今回は、あすか製薬ホールディングス株式会社 グループ経営管理本部 グループITソリューション部 プロフェッショナル 石川大様に、バラクーダのバックアップ製品「Barracuda Cloud-to-Cloud Backup」の導入とその効果についてお聞きしました。
Q. バラクーダ製品導入の経緯について教えてください。
2023年にあった二つの出来事がきっかけとなりました。まず一つは、あるベンダーさんから、Microsoft 365は「Microsoftがデータ復旧を保証しない、別にバックアップする事を推奨する」という情報を得たことです。もう一つは、同年3月に、ヨーロッパのあるデータセンターで大規模な火災が発生したというニュースを受け、データセンターが必ずしも盤石ではない事を感じました。私自身、長年Microsoft 365に関わってきて、データが無くなるというような状況は聞いたことがありませんが、最近ではランサムウェアなどもの動きもありますので、万が一のことを考えると準備しておく必要があると考えました。
その後、複数のベンダーさんからのご提案を受けた結果、同年12月には、バラクーダのバックアップを導入するという方向で、予算も含めて決定しました。当社の場合、中核である医療用医薬品事業に加えて、アニマルヘルス事業や検査事業を行うグループ会社も含め、全体であすかホールディングスという事業体を構成しています。今回は、このグループ全体で、2024年3月に1,050のアカウントを導入しました。
Q. 導入によって、どのような課題の解決を望んでいましたか?
まず、Microsoft 365データの保証が課題でした。特にメールデータのアーカイブは、重視していました。10年保管が義務付けられているため、電子帳簿保存法や製造物責任法(PL法)上での罰則もあり得ます。もちろん、Microsoftの機能で、メール保管の設定は実施していますが、そのアーカイブに保険を掛けたかったというのが大きな理由です。
また、アーカイブからのデータ復元をより簡素に、より早くできるように改善したいという課題もありました。Microsoft 365で、データ復元を試みた場合に、少し使い辛く時間もかかるため、もっとシンプルに復旧できる仕組みが必要だと考えていました。個別データの復元実施時にもかなり時間がかかるため、IT監査の要件をクリアできるかどうかという点で、課題を感じていました。万が一何か問題が起こった際に、証拠提出を速やかに行う必要があります。また、ランサムウェアもどんどん高度化しており、従来は表面的にファイルサーバーのデータを消されたり、パソコン上のデータを消されたりといったレベルで済んでいたところを、最近では更に複雑な動きをするようになってきていると聞きます。そのような例を見ていますと、Microsoft 365のアーカイブ(訴訟ホールド)からの復元も可能ですが、標準機能から元に戻らないという可能性も考えて、バックアップを持つことの重要性を感じていました。
Q. バラクーダ製品の導入の決め手は?
必要十分でありながら、価格も抑えられているので、その点はまず理由として挙げられます。また、シンプルで、設定がとにかく簡単でした。
Q. 導入後は、どのように活用し、どのような点を評価されていますか?
ユーザー数としては900ですが、共有メールボックスなどにもライセンスを充てていますので、実際には1,050アカウント分を導入しました。日々バックアップをとっていますが、それによってこれまでと特に運用が変わっていない点を評価しています。「バックアップを取りました」という通知が来るぐらいで、それ以外は何も変わっていないので、手間をかけずに安心だけ手に入れたという状態で、とても助かっています。
Q. バラクーダ製品は御社の事業にどのように貢献していますか?
メールデータのアーカイビングの確実な取得に対して、不安感を払拭してくれました。やはり、製薬会社として、もし何か不測の事態に陥った場合にメールも含めて重要な文書がしっかり残っていて、それを即座に追跡することが必要となりますので、そういった意味では、大変重要です。
Q. 今後バラクーダ製品に期待する事はありますか?
システム内で起こっている状況を把握するために、監査ログ等をまとめて取れるようにして頂けるとより助かります。