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最近の銀行破綻の悪用を試みる攻撃者の先を行く

最近の銀行破綻の悪用を試みる攻撃者の先を行く のページ写真 1

2023年3月15日、Fleming Shi

ハッキング集団は、情報や金銭を盗む新しい機会を常に探しています。新型コロナウイルスのパンデミックウクライナ侵攻のような大きな出来事があると、そのあとには必ず大きな詐欺インシデントがあることがこれまでに証明されています。今回の銀行セクターのトラブルに乗じた SMSやその他のフィッシング攻撃も、必ず出てくるはずだと私たちは予想しています。

銀行セクターが「パニック」を起こす可能性

3月10日、カリフォルニア州金融保護革新局(DFPI)は、流動性不足と債務超過を理由に、シリコンバレーバンク(SVB)を閉鎖しました。その後 DFPI は、連邦預金保険公社(FDIC)をシリコンバレーバンクの管財人に任命しました。FDICは管財人として、被保険者預金の管理、資産の売却・回収・債務整理などの業務を引き受けます

FDICは銀行ではありませんが、破綻した銀行に代わって業務を行う預金保険国立銀行(DINB)を創設する権限を持っています(p.38)。この種の銀行は「ブリッジバンク」と呼ばれ、破綻した銀行が管財手続きを進めるなかで銀行業務を継続できます。今回はFDICが「金融機関を安定させ、秩序ある解決を実施する」まで、シリコンバレーブリッジバンクが、シリコンバレーバンクの残りの銀行業務を行うブリッジバンクとなります。FDICのウェブサイトには、シリコンバレーバンクの破綻に関する最新情報が掲載されています。

3月12日にニューヨーク州金融サービス局(DFS)がシグネチャーバンクを事業停止とした際も、同様の経過をたどりました。 FDIC が管財人に任命され、シグナチャーブリッジバンクが設立されて銀行業務を継続することになったのです。

この2つの銀行の破綻は、ハッキング集団がフィッシング詐欺やなりすまし詐欺で一般市民を狙う絶好の機会となります。シリコンバレーバンクやシグネチャーバンクの顧客で、銀行業務を他の金融機関に移管する可能性のある人をターゲットにすると、私たちはにらんでいます。また、Roku、Shopify、Pinterestなど、シリコンバレーバンクの著名なクライアントになりすます攻撃もおそらく出てくるでしょう。

銀行関連のSMS詐欺

サイバー犯罪者は SMS(テキストメッセージ)を好んで使用します。なぜなら、非常に短いメッセージを銀行からの緊急警告のように見せられるからです。ほかの銀行になりすましたSMSフィッシング詐欺の例をいくつか紹介します。

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SMS 詐欺は、リンクにアクセスしたり、情報を返信したり、番号に電話するよう促すことがあります。これらの詐欺は、犯罪者が顧客の資金を管理するために、顧客から情報を盗むことを目的としています。これらのリンクをクリックしたり、見覚えのない番号に電話をかけたりしないでください。必ず知っている番号で銀行に電話するか、URL を手動で入力してオンラインにアクセスするか、銀行の確認済みモバイルアプリを使用してください。

また、FDIC は、特に最近の銀行閉鎖を踏まえ、同様のメッセージを送る可能性のある政府当局のなりすましに対しても警告を発しています。

メール詐欺

サイバー犯罪者はメール詐欺を好んで使用します。メールはあらゆる場所で使用されているからです。シリコンバレーバンクやシグナチャーバンク関連の詐欺では、犯罪者がこうした銀行になりすまし、新しい銀行情報を待っている顧客、パートナー、販売業者などにメールを送信することが予想されます。シグナチャーバンクは4つの州に数十のオフィスがありましたし、シリコンバレーバンクは米国および数カ国にオフィスがありました。メールを使ったなりすましをするのに大きなチャンスがあるわけです。

13タイプのメール攻撃のうち、シリコンバレーバンクとシグナチャーバンク、および FDIC 関連の詐欺では下記のようなタイプの攻撃が使われると予想されます。

  • なりすまし:ドメインやブランドのなりすましは、受信者をだまして、既知の信頼できる送信者からのメールであると思わせるように設計されています。
  • フィッシング:銀行のログイン情報、暗証番号、口座番号、その他の機密情報を盗み出そうとする攻撃です。
  • マルウェア:メールやメールの添付ファイルに隠された悪意のあるソフトウェアで、しばしばフィッシング攻撃とセットで行われます。また、メールに埋め込まれた悪意のあるスクリプトによって、外部のウェブサイトからマルウェアがダウンロードされることもあります。
  • アカウント乗っ取り(ATO): この種の不正行為は、フィッシング攻撃やその他のデータ漏えいによって、悪意のあるアクターが正規ユーザーアカウントの認証情報を入手することで発生します。企業アカウントの場合、会社の業務に関する情報の収集、マルウェアの配布、振り込め詐欺、ランサムウェア攻撃などが行われる可能性があります。
  • ビジネスメール詐欺(BEC): 犯罪者が組織の誰かになりすまして、会社、従業員、顧客、またはパートナーを詐取します。この場合、通常、正規の受取人から犯人に資金が流れます。この種の攻撃はしばしば、フィッシング攻撃が成功することで可能になります。

ほかの攻撃ももちろんありますが、上記がおそらく最も一般的な攻撃になるでしょう。

現在の銀行関連の脅威

バラクーダセキュリティオペレーションセンターでは、世界中の脅威を監視しています。 ここでは、私たちが共有できる銀行攻撃の事例を紹介します

  • 脅威アクターは、パートナーになりすまして支払いをするそぶりを見せます。添付ファイルの bank-info.doc は、重要なアカウント情報を盗むように設計されています。

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  • 脅威者は、銀行口座をすぐに更新する必要がある従業員になりすましています。ジャネットが返信すれば、攻撃者はその情報を使って給与を流用することができるのです。

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  • これはよくある単純な詐欺で、攻撃者は被害者が延滞金を支払うためにリンクをクリックすることを望んでいます。 このリンクは、被害者をフィッシングサイトに誘導し、支払われたお金と一緒に情報を盗みます。

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このような詐欺から自分自身と会社を守るために

メールセキュリティについて、以下の実践方法を採用し、早急に対応することをお勧めします。

  • メールやテキストメッセージに記載されているリンクをクリックしない。
  • 電話やメールで個人情報を共有しない。合法的な組織は、安全でない方法でこれらの情報を求めることはありません。
  • 情報提供や金銭の要求など、通常とは異なる要求に対して警戒する。送信者に連絡したい場合は、メッセージに記載されている連絡先を使うのではなく、自分で連絡先を探してください。
  • 銀行やその他の金融機関に関連するすべての変更について、安全な通信を使用して連絡する。この場合、両者の身元を確認するうえで、対面で会ったり、ビデオ会議をしたりするとよいでしょう。
  • SPF、DKIM、DMARC エンフォースメントポリシーなどのツールを使用して、メールによるドメインのなりすましを防止する。
  • AI を活用したフィッシング・なりすまし対策ソリューションを導入する。このタイプのセキュリティは、複数のデータポイントを分析することで、メッセージの悪意ある意図を検出します。
  • 完全な認証と受信者の検証で送信者と受信者を追跡するメール暗号化サービスを利用する。

今日のマクロ経済や財政政策を踏まえ、メールのやり取りを含む金融取引には細心の注意を払うよう、ユーザーを教育することが必要です。現在のような深刻な金融危機の際には、影響の大小にかかわらず、顧客やビジネスパートナー、ベンダーとコミュニケーションをとり、信頼できるコミュニケーションチャネルを確立して情報を共有することも重要です。メールセキュリティの態勢を改善し、特に検知、予防、対応のための優れたツールを活用することで、攻撃者の先を行けるようになります。

 

原文はこちら
Stay ahead of attackers trying to capitalize on recent bank failures
Mar. 15, 2023 Fleming Shi
https://blog.barracuda.com/2023/03/15/stay-ahead-of-attackers-trying-to-capitalize-on-recent-bank-fail/

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