Barracuda SecureEdge SASEプラットフォーム:ステファン・シャシンガーとのQ&A
2023年5月17日、Tony Burgess
バラクーダは、新しいSASE(セキュア・アクセス・サービス・エッジ)プラットフォームであるBarracuda SecureEdgeを発表しました。もしかしたら皆さん、これについて知りたいことがあるのではないでしょうか。私もいくつか質問がありました。そこで、バラクーダのネットワークセキュリティ担当シニアプロダクトマネジャーであるステファン・シャシンガーに話を聞きました。
ステファンはSecureEdgeの開発に最初から携わっているので、SecureEdgeとは何か、なぜ今必要なのか、今日の脅威の全体像やサイバーセキュリティ業界の変化を促す動きにどう適合するのか、説明してくれるはずだと思ったのです。その期待は裏切られませんでした。以下は、ステファンとの会話です。
バラクーダの新しいSASEプラットフォームで何ができるか
まずはじめに、SecureEdgeとは一体何なのか、説明してください。
簡単に説明すると SecureEdge は、ネットワークを最適化し、セキュリティを確保するための当社の既存のいくつかのソリューションの機能と性能を組み合わせたプラットフォームです。したがって、SD-WAN、ネットワークファイアウォール、ゼロトラストアクセス、Webフィルタリング、IoT セキュリティなどを提供します。SecureEdge を利用することで、顧客はさまざまなソリューションから独自の SASE システムを組み立てる必要がなく、1つのベンダーのプラットフォームソリューションで最新の SASE インフラを効果的に導入できます。
基本的にこのプラットフォームを使えば、ネットワークのセキュリティと最適化がぐっとシンプルになります。使いやすい単一のクラウドポータルで全体を管理することができるからです。また管理者は、セットアップと運用のために何週間もの集中的なトレーニングを受ける必要もありません。
そうなるとSecureEdgeは、バラクーダの既存のネットワークセキュリティ製品の代替品になるのでしょうか。
いいえ。そしてそこが重要なポイントです。Barracuda CloudGen FirewallやCloudGen Access、および当社の他のネットワークセキュリティ製品は、引き続き販売、サポート、更新される予定です。そのため、現在これらの製品を持っていたり、今後購入を検討している顧客が SecureEdge へのアップグレードを強要されることはありませんので、安心してください。
ただし、こうした当社製品をすでに使っていて、SecureEdge にアップグレードしたい場合は、非常に簡単かつシームレスな移行が可能であることを付け加えておきます。
SecureEdge が単なるバンドルではなく、真のプラットフォームである理由を教えてください。
バラクーダは他社からうらやましがられるくらい非常に広範で包括的な製品およびサービスのポートフォリオを持っています。自社開発と戦略的買収の組み合わせで、ここまで到達しました。当社の強みの1つは、提供する製品の相互運用性です。つまり、買収によって新しい製品を手に入れた場合、単にブランド名を変えて世に送り出すのではありません。新しく取得した製品が当社の他の関連製品とシームレスに動作し、データを透過的に共有できるよう、最初に多くのエンジニアリングを行います。こうして、純粋にバラクーダ製品となったことを確認するまでは販売しません。
こうして当社は、異なる製品間の複数の機能や特徴を統合するスキルを磨いてきました。SecureEdge は、私たちが長い間歩んできた軌跡につらなる次なる一歩を体現しています。SecureEdge は既存のさまざまな製品の機能を統合した、とだけ説明して済ませることもできますし、その機能の一部を伝えるうえではこうした表現はとても便利です。しかし、単に複数の製品を束ねただけではありません。むしろ、包括的な機能を完全に統合した、ひときわ新しい製品なのです。また、プラットフォームであるため、今後も新しい機能や特徴の開発を重ねて簡単に統合することができます。
SecureEdgeを必要とするのは誰で、最も恩恵を受けるのは誰なのでしょうか。
SecureEdgeは、主に中堅企業向けの製品です。しかし、非常に大規模なグローバル企業のニーズにも対応できるような拡張性を備えています。
ユースケースとしては、リモートワークへの大規模なシフトとクラウド型 SaaS ソリューションの普及により、攻撃対象が拡大かつ変化している現状に着目しています。
そのため、分散した遠隔地の従業員を抱える組織では、SecureEdgeを利用することで、社内のデータやアプリケーションだけでなく、SaaS アプリケーションなど、従業員がアクセス権限を持つリソースのみに安全にアクセスできるようにすることが容易になります。さらに、悪意や破損が確認されているサイトやサービスへのアクセスを自動的にブロックします。もちろん、管理者はニーズに応じて独自のブロックリストを構成することができます。
もちろん、従来の中央集中型のオフィスから出ていったのは、従業員だけではありません。従業員がアクセスするアプリケーションも散在しています。仕事で使うツールのほとんどはクラウド経由で提供されるようになりましたが、一部はまだオンプレミスでホストされています。こうした新しいハイブリッド的世界では、従来のオフィスやデータセンターが依然として存在し、さらにリモートワークやSaaSアプリケーションも存在するため、どこで働いていても、別の場所で稼働するリソースにアクセスできるようにするアーキテクチャにおいて、いかに安全な接続を確立するかが課題となっています。私たちがカバーしなければならないすべての場所、時には集中型ワークロードへのアクセスを必要とする分散型 IoT デバイスも含めて、スケーラブルでコスト効率の高い接続性とセキュリティがエッジで直接必要となります。そして、SecureEdge のような SASE の実装は、その課題に対処する最良の方法なのです。
SASEの主な使用例についてのより詳細な説明については、私の最近のブログ記事のこちらとこちらを参照してください。
SecureEdge の導入と運用開始には何が必要でしょうか。組織がサブスクリプションを購入した場合、管理者やユーザーは実際に何をしなければならないのでしょうか。
それは意図するユースケースによりますが、まず SecureEdge Manager と呼ばれるクラウドポータルのアカウントと、中央のセキュリティハブとしての SecureEdge Service が必要です。管理者にとって、クラウドサービスの設定は非常に直感的なものだと思いますよ。デフォルトの設定が組み込まれているため、実に簡単にサービスの利用を開始することができます。ゼロトラストアクセスやセキュアなインターネット・アクセスなど、多くの機能がすぐに使えますし、必要な情報を収集し、その入力に基づいて SecureEdge を自動的に設定するウィザードを使用して素早く設定することもできます。
ハードウェア面では、各拠点に設置する物理アプライアンスと仮想アプライアンスがあり、SD-WAN と Firewall-as-a-Service の機能を提供します。当社の高度なゼロタッチディプロイメントのおかげで非常にシンプルで、IT 担当者が現場にいる必要はありません。アプライアンスが現地に到着したら、電源とインターネット接続に接続するだけで、完了です。アプライアンスはクラウドサービスに対して自らを識別し、適切な設定ファイルを自動的にダウンロードし、インストールできます。
またユーザーにとっては、VPN 接続から SecureEdge が提供するゼロトラストアクセスモデルへの移行に伴う新たなログイン手順について説明を受けるだけで、そのプロセスはほぼ完全に透過的です。
ステファン、質問に答えるために時間を割いてくれたことに感謝します。今回の話は多くの情報が詰まっていました。読者の中には、ネットワークセキュリティとコネクティビティに対するこの新しいプラットフォームベースのアプローチについて、さらに深掘りしたいと思っている人もいるでしょう。そのような場合、どこに行けばさらなる情報を得ることができますか。
まずは、当社Wenサイトの SecureEdge のメインページで、多くの情報を得ることができます。
また、まもなく開催されるライブのウェビナーでも、皆さんの質問に答え、こうしたトピックについてさらに詳しく説明する予定です。このセミナーでは、SecureEdge がどのように機能するのかを実感していただくために、ライブデモも予定しています。登録はこちらからどうぞ。
そして最後に、もちろん、バラクーダのリセラーやMSP、またはバラクーダの営業担当者と直接連絡を取ることができます。
原文はこちら
Barracuda SecureEdge SASE platform: Q&A with Stefan Schachinger
May. 17, 2023 Tony Burgess
https://blog.barracuda.com/2023/05/17/barracuda-secureedge-sase-platform-qa-stefan-schachinger/